「理解する、そして言葉にする」

 学年末テストも終了し、新学年と節目の季節になりました。私の生徒の中にも受験を終えた方、来年度へ決心を固める方など様々な方がいらっしゃいますが、みなさんはいかがお過ごしでしょうか?

 さて今日は、勉強において重要な2つの要素、「想起」と「再言語化」についてお話していこうと思います。

 突然ですがここで1つ問題です。(小学生及び未履修の方はごめんなさい…)

  Q1. 次の連立方程式を解きなさい。 

   3x+2y=1

      x-y=2

 

 

 答えは(x,y)=(1,-1)です。みなさん解けましたか? おそらくこの問題を解けた方は、「加減法」や「代入法」という解き方が思い浮かび、ペンが進んだことで、解答まで至ったのではないかと思います。それでは次のステップです。

  Q2.Q1の問題のあなたの解法を説明しなさい。

  

 いかがでしょうか?多くの方はここで手が止まってしまうのではないかと思います。(ちなみに正解は、2つの式の和、差で1つの文字を消去して1元方程式に…etc など)

 今回の問題は、解くことはできるが説明できない例として出題させていただきました。Q1で必要なステップは解法を「思い出すこと」、これを「想起」と言います。テスト中に「この問題見たことある!解き方は…」と思い出そうと頑張るこの現象ですね。人間の脳は思い出す作業をしたときに、一番活性化し、情報をしっかりと蓄えようとしてくてくれます。なので、テストは科学的に見ても試験慣れするための目的だけでなく、知識を定着させる面でも大きなメリットがあります。

 次にQ2で必要なステップは「自分の言葉に置き換えること」、これを「再言語化」と言います。特に用語や概念が簡単に理解することができないとき、「要するに、わかりやすく言い換えると…」と自分の言葉で吸収する習慣をつけてみましょう。人から伝えられた情報の理解はよりいっそう深まることでしょう。

 私の考えですが、多くの方は「覚えているけど、説明は難しい」と「再言語化」が苦手な方が多いように感じます。勉強において、自分でわかったことを誰かに教えることができる状態こそ真に理解ができていると私は考えます。普段から「再言語化」をトレーニングできることとしては、小テストに真摯に取り組んだり、友達に勉強を教えたり(教え合ったり)するのがよいでしょう。ぜひ普段の勉強の中から意識して取り組んでみてください。

 

福原